相続 岐阜|きずな支援センター

当センターは、遺言・相続・事業承継を目的とした、弁護士事務所と税理士事務所の共同センターです。  

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名義

税務調査官の対応④

調査官の質問と意図

調査官の質問と、その意図は次の通りです。

質問内容 意図
本人の職歴 概況、社会的地位、収入や退職金の有無
(おおよその財産額の把握)
本人の趣味 本人の生活ぶり・お金の使い方(派手か地味か)
ゴルフ会員権の有無
家族の職歴、実家の状況 収入、個人財産(持参金)、預金収入の裏付け確認
名義預金、名義株
亡くなった時の状況
(病院、病名)
医療費
死亡時前後の現預金の使い方・使い道
遺言書の有無 内容を確認(隠し財産のことが書いていないか)
通帳や印鑑の管理 誰が管理していたか(名義預金)
手帳や日記の有無 何を記録していたか(取引銀行、証券会社、隠し財産の所在)
香典帳、電話帳 内容確認(取引銀行、証券会社)
権利書、通帳 金庫や書庫など重要書類の置き場所(現場確認)
申告されていない財産の資料が無いか
有価証券の有無 預り証や取引証券会社の確認
申告されていない財産の資料が無いか
生活費 誰が財産を管理しているか、名義預金、毎月の費用
銀行の担当者 詳しい事情を聞く
貸金庫 現場確認(引き落とされた使用料から有無は確認ずみ)

 

税務調査官の対応③

聞いている意図は何か?

本人の生い立ち、経歴、趣味、性格を聞くことにより、お金の全体の流れをつかみたいのです。

 

たとえば、ある会社に就職していつ退職し、次の会社へ就職したという話をします。

それによって、その都度の退職金はどうしたのか?

経歴、職業によってどれくらい収入があったのか?

 

また、趣味は性格によってお金の使い方がわかるというものです。

「主人は無趣味で地味でした」ということは、しっかりお金は貯め込んだのではないか?

「ゴルフが趣味で・・・」ということは、ゴルフ会員権があるのではないか?

さらに。

「病院に入っても一週間くらいで亡くなった」ということは、病院の支払いは少額で済んだということか?

私(奥様)は働いたことはない。実家の相続では何ももらっていない」ということは、奥様名義の預金は、本当はご主人のものではないか?

「子どもの収入はまだ若いのでたいしたことはない」ということは、子ども名義の預金は、本当はご主人のものではないか?

 

・・・等々、やりとりのなかで調査官の意図ねらいが隠されています。

(続きは次回)

税務調査官の対応①

まずは事前打ち合わせ

担当の税理士に事前に十分相談しておくことです。

 

別に隠し方を教えるわけではありません。

税務調査が、いつ、どんな方法で、何を聞き、何が問題になるのかをしっかり聞いておいて下さい。

税務署は、事前に家族名義の預金や株式、あるいは相続前5年くらい前までの預金の流れは調査済みです。

本人の所得税の申告書の内容からある程度の把握はしているものです。

 

そのうえでの調査です。

 

ですから、相続直前に預金を全部引き出して本人名義の預金をなくしても何の意味もありません。

当然、その引き出したお金をどうしたのかをしっかり聞かれます。

(続きは次回)

税務調査は一日だけじゃない!②

当日は何時に始まる?

実地調査は午前10時頃から始まり夕方の5時頃までには終わります。

 

まず雑談から入り、故人の経歴、趣味、病歴、最期の状況など詳しく聞きます。

申告漏れや資産の管理・運用状況をたくみに聞き出しているのです。

 

実地調査は1日、せいぜい2日で終わります。

 

実地調査の目的は事前調査での不明な点、疑問な点の確認・解明です。

故人について収集された「資料箋」から判断して申告漏れの可能性のある預金や有価証券の発見です。

グレーゾーンにあるものを誰のものとしてとらえるかの判断です。

家族名義預金なども調査対象です。

(続きは次回)

税務調査ってどんなもの??④

事前にも調査してあるのか?

調査は、事前に相当なことはしてあります。

 

不動産、預貯金の有無は当然です。

不動産にはついて登記されていますし、登記されていない建物でも、固定資産税の補充課税台帳で把握されています。

 

問題は預貯金です。

本人名義はもちろんのこと家族全員の預金も洗い出されています。

本人以外の預金をなぜ調査するのかと思われるかもしれませんが、これは相続税の調査の最大のポイントになります。

 

いわゆる名義預金です。

 

本人の名義ではなく、家族名義、またはまったく別の名義になっていたとしても、実質は本人のものであると断定されることが多いです。

銀行では一括管理しているケースが多く、本人名義と同様の取り扱いをしています。

この預金関係を徹底的に調査していることが最も多いのです。

(続きは次回)

遺言書⑥

遺産分割争いを防止するための遺言書

遺言書を残されるならば「公正証書遺言」によることをお勧めします。

 

「自筆証書遺言」の場合は簡単に作成できますが、死亡後に必要な要件が揃っていなかったため無効になったり、内容に不満のある相続人がいると本人の自筆かどうかでもめたりして、かえって相続人の間が険悪になるケースもあります。

「公正証書遺言」ならば例え本人が謄本を紛失しても、公証人が公証証書を作成したことを証明してくれるため、公証役場で謄本を入手することができます。

 

遺言書が有効であれば、相続人の同意がなくても不動産や預貯金の名義変更ができます。

他の相続人に不満があっても、遺言書を盾に遺産分割協議の主導権を握ることができます。

もちろん、相続人同士の話し合いがつけば「遺言書」と異なる「遺産分割協議書」を作成することも可能です。

 

また、遺産の種類や数量を個別に記載する特定遺贈方法で遺産を分割することも重要です。

そして、遺言書通りにその内容を法的に実現してくれる遺言執行者を指定することが望ましいといえます。

 

毎年遺言書を書き直している方もいらっしゃいます。

一度、遺言書の作成にチャレンジして下さい。

郵便貯金は把握されずに済む!?③

貯金総額の限度額

ところで郵便局については、貯金総額に限度額が設けられているのはご存じでしょうか。

金額は1,000万円です。

 

したがってそれを超える金額を預けることはできません。

「地域の異なる郵便局であれば大丈夫なのではないか?」とお考えになる人もなかにはいらっしゃるかもしれませんが、たとえば、岐阜の郵便局に1,000万円、愛知の郵便局に1,000万円貯金したと考えて下さい。

両者はそれぞれの貯金事務センターに集められ、結局は共に、計算センターで集中管理されることとなってしまうのです。

つまり、このオンライン化が進んだため、以前であれば把握しきれなかった限度額以上の貯金所有者も、今では把握されるところとなってしまったのです。

その限度額を超える貯金を有する人に対しては、総務省から超過金額を払い戻してもらうための「払戻し通知」が届くことになり、現時点では、順次その調整が進められています。

 

このように、「郵便貯金が銀行貯金よりも見つかりにくい」とは言えなくなってしまいました。

郵便貯金は把握されずに済む!?②

お金の流れから把握できる

「見つかる、見つからない」という問題であれば、全く取引のない銀行に預金すれば、または、遠方の郵便局に貯金すれば、「もしかしたら見つからないのでは?」なんて考える人がいるかもしれません。

しかし、税務調査が入ったらそれはほとんど見つかってしまうでしょう。

なぜなら取引のない銀行であれ、遠方の郵便局であれ、そこに預けた現金は、必ずどこかにあった現金であり、その現金の流れ、すなわち出所から把握されてしまうからです。

 

たとえば、付近のA銀行に預けていた定期預金を解約して、全く取引のないB銀行の預金の存在自体はわかりませんが、A銀行を解約した定期預金はどこに消えたのか?が問題となります。

何か大きい買い物、たとえば車などを買ったという事実があれば納得してもらえますが、大きい買物をしていないのであれば「どこかに現金があるはずだ」と、躍起になって調査されてしまいます。

この結果、取引の有無に関わらずB銀行の存在が知られるところとなってしまうのです。

突然、何千万円ものお金を何の目的もなく使ってしまうなんて話は、通常の常識からは考えられません。

 

ですから、郵便局か銀行かとか、近くか遠くかは問題ではありません。

(続きは次回)

郵便貯金は把握されずに済む!?①

郵便局に預けているお金は申告しなくてもわからないってホント?

非常に危険なご意見です。

 

なぜなら、納税者のなかには、今でも「郵便貯金は見つからない」などという大いなる迷信(!?)を信じて疑わず、担当の税理士にすら、その存在を明かして下さらない方もいらっしゃるからです。

「郵便貯金」も「銀行預金」もいずれも相続財産に含まれるものです。

 

確かに30年前まではそういう噂もありました。

銀行等を統括する財務省と、郵便局を統括する総務省で、省庁内でも非常に折り合いが悪いことからなどと・・・。

しかし、今となっては昔のこと、現在では郵便貯金も銀行預金もあまり変わらなくなってきています。

なぜなら、「聖域」であるはずの郵便局にも、国税当局の「メス」が入り、国家公務員法上の「守秘義務」の限界について議論されるところとなったからです。

 

またこうした「守秘義務」の壁や、郵便局のチェックの甘さを逆手にとって、犯罪に利用されることも多かったため、国税当局側も「調査マニュアル」を作成し、正攻法で対決姿勢を強めています。

それでも、税務調査が入った場合の調査方法という点については、両者の間にはまだ若干の隔たりがあるようです。

(続きは次回)

家族名義の財産④

銀行調査ではどんなことを調べる?

相続が開始すると税務署は、金融機関に対して残高確認のために文書で問い合わせをするとともに、必要に応じて金融機関に出向いてマイクロフィルム(預金の動きがフィルム化されているもの)や伝票を調査していると思われます。

 

普通預金では電気、水道、ガス、電話などの公共料金を自動引落しているケースが多いのですが、貸金庫の使用料や証券会社の保護預かり料が引き落とされていることもあります。

家族も知らない第三者が居住しているマンションの管理費や公共料金が引き落とされていることもあります。

 

少額の端数のある入金も目の付け所です。

定額預金の利息や株式の配当など申告されていない財産発見の手がかりになります。

 

通帳だけでなく、印鑑も調査対象になります。

印鑑はまず空押しをし、次に朱肉を使って印影をとります。

空押しして印影がつくかどうかによって、最近使ったかどうか使用状況がわかります。

使われた形跡がなければ名義預金である可能性があるからです。