相続 岐阜|きずな支援センター

当センターは、遺言・相続・事業承継を目的とした、弁護士事務所と税理士事務所の共同センターです。  

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実地

税務調査は一日だけじゃない!④

事前調査・事後調査

税務調査には、実地調査以外に事前調査と事後調査があります。

 

大口資産家の場合、過去の確定申告書、確定申告書に添付して提出した財産及び債務の明細書、不動産売買の状況など、故人の生前の資産に関するものが「資産箋」として保存されています。

この中には、金融機関に対する残高照会の回答も入っており、これらの資料と申告内容とをチェックし、疑問点を整理して実地調査を行うのです。

 

実地調査が終わればそれで税務調査が終了したわけではありません。

 

実地調査で疑問が残った点、確認できなかった点等について事後調査を行います。

銀行などに対する調査も事前調査の場合は文書で問い合わせるケースが多いのですが、事後調査では実際に銀行を訪問し、銀行で保管されているマイクロフィルム(預金の動きをフィルムで保存してある)や伝票を見ることで資金の流れを確認します。

事後調査期間中、税理士との間でやりとりがあり、最後に当初から故人の財産であると確信したものについて「修正申告をしてください」ということになります。

 

事後調査は数ヶ月にものぼることもあります。修正に応じない時は更正してきます。

(続きは次回)

税務調査は一日だけじゃない!③

税務調査までの流れ

相続が発生すると、7日以内に相続人は市町村役場に死亡届を提出しなければなりません。

市町村役場では、その場で「火葬(埋葬)許可証」が交付されますが、市町村役場は受理日の翌日末日までに、その事実を税務署に通知しなければなりません。

 

役場から通知を受けた税務署は、予め収集しておいた「資料箋」ファイルを紐解きます。

おおよその資産内容をつかむと、相続税の申告書を相続人に送付するかどうかの検討をします。

 

  • 相続税が課税されそうな人に対しては「申告書」を送付します。
  • 課税されるかどうか境界線上にある場合には「相続のお尋ね」を送付します。
  • 課税されそうにない人に対しては何も送付しません。

 

相続税申告書は相続開始後10ヶ月以内に提出することが義務づけられています。

税務署では提出された申告書を7月頃で締め、8月までに申告内容を検討し、銀行・証券会社へ照会を行い実地調査をするかどうかの判断をします。

 

したがって、実地調査は普通、相続が起こった翌年または翌々年の9月から12月の間に行われます。

(続きは次回)

税務調査は一日だけじゃない!②

当日は何時に始まる?

実地調査は午前10時頃から始まり夕方の5時頃までには終わります。

 

まず雑談から入り、故人の経歴、趣味、病歴、最期の状況など詳しく聞きます。

申告漏れや資産の管理・運用状況をたくみに聞き出しているのです。

 

実地調査は1日、せいぜい2日で終わります。

 

実地調査の目的は事前調査での不明な点、疑問な点の確認・解明です。

故人について収集された「資料箋」から判断して申告漏れの可能性のある預金や有価証券の発見です。

グレーゾーンにあるものを誰のものとしてとらえるかの判断です。

家族名義預金なども調査対象です。

(続きは次回)