事前調査・事後調査
税務調査には、実地調査以外に事前調査と事後調査があります。
大口資産家の場合、過去の確定申告書、確定申告書に添付して提出した財産及び債務の明細書、不動産売買の状況など、故人の生前の資産に関するものが「資産箋」として保存されています。
この中には、金融機関に対する残高照会の回答も入っており、これらの資料と申告内容とをチェックし、疑問点を整理して実地調査を行うのです。
実地調査が終わればそれで税務調査が終了したわけではありません。
実地調査で疑問が残った点、確認できなかった点等について事後調査を行います。
銀行などに対する調査も事前調査の場合は文書で問い合わせるケースが多いのですが、事後調査では実際に銀行を訪問し、銀行で保管されているマイクロフィルム(預金の動きをフィルムで保存してある)や伝票を見ることで資金の流れを確認します。
事後調査期間中、税理士との間でやりとりがあり、最後に当初から故人の財産であると確信したものについて「修正申告をしてください」ということになります。
事後調査は数ヶ月にものぼることもあります。修正に応じない時は更正してきます。
(続きは次回)