相続 岐阜|きずな支援センター

当センターは、遺言・相続・事業承継を目的とした、弁護士事務所と税理士事務所の共同センターです。  

浦田益之法律事務所 TEL:058-265-1708

税理士法人TACT高井法博会計事務所 TEL:058-233-3333

2014年

預貯金はこうして把握される!!④

死亡日前の預金の引出し②

たとえば、預金の引き出しが1,000万円あったとします。

香典が300万円で病院の支払いが200万円、葬儀費用が400万円であったとすると・・・

 

現金    1,000万円

香典     300万円

病院代   △200万円

葬儀費用  △400万円

=============

差 引   700万円

 

よって、700万円は残金としてあるはずです。

これが手持ち現金になってきます。

申告する際には現金1,000万円から、債務の病院代200万円、葬儀費用400万円を差し引く形で申告することになります。

香典の300万円は相続財産にはならないため、間違っても、手持ち700万円を申告しないように。

 

相続直前の預金の引き出しは必ず、何に使ったかをチェックされます。

葬儀費用の確保は必要ではありますが、相続税の申告逃れはできないと考えるべきです。

預貯金はこうして把握される!!③

死亡日前の預金の引出し①

相続税は死亡日の本人の財産に課税されます。

したがって、死亡日前に本人の預金を引き出してしまえば消えてなくなり、課税されない、と考える人が多いのですが、これはまったく無意味なことです。

 

預金を引き出すだけでなく、「解約」してしまえばあとかたもなく消えてしまう、と考える人も多いのです。

しかし、これも無意味です。

 

預金の把握は、死亡日の当日だけを調査するのではありません。

本人はもちろん、家族名義の預金も最低5年くらい前から調べます。

 

まして死亡日直前に引き出したというのであれば、当然そのお金が、何に使われたのかをチェックします。

病院への支払い、葬儀の費用、または物品購入と、支払いが明確であれば問題にはなりません。

もちろん、葬儀費用は預金の引き出し、さらにはお香典の合計金額で、精算する場合もあります。

(続きは次回)

預貯金はこうして把握される!!②

何年前まで調べられるのか?

大口資産家の調査の場合は、相当以前からの古い資料も残っています。

時効の関係から7年ということもありますが、通常は5年前まではさかのぼって調べられます。

 

それでは7年前以前から奥様名義または家族名義の預金になっていれば、それは立派に贈与の時効が成立しているといえるかどうか、残念ながらそうもいきません。

問題は本当に贈与があったのかどうかという事実確認です。

たとえば確かに奥様名義の預金が10年前からあったとしても、出し入れの管理は、奥様ではなく本人がやっていたとすれば、実際は贈与されたのではなく、単なる名義が奥様になっていたということにすぎません。

子供や孫の名義の預金も当然のこと、「贈与された事実」があったどうかがポイントになるのです。

したがって、何年か前から名義が本人以外のものになっていたとしても、贈与の事実確認が重要で、贈与税の申告がされていたかどうかが重要なポイントになります。

(続きは次回)

預貯金はこうして把握される!!①

税務署は預金をどうやって把握するのか?

税務調査が実施される場合には、調査前に本人はもちろん家族全員の預金を調べてあると思います。

銀行では本人以外の家族名義であっても、顧客台帳として一括管理しています。

特に大口預金者はしっかり名寄せして管理しています。

 

定期預金が引き出された、土地の売却代金、株式の売却代金が引き出されたなど大口の預金の引出しは必ず確認しその行方が追われます。

この引き出されたお金が、他の銀行又は郵便局などの何らかの預金になっているか、または何かを購入しているかを確認します。

 

借入金の使用目的も問われる場合があります。

借入金で建物の建築、土地の購入、株式の購入、または貸付金になっているケースもあり、いずれにしても大口のお金が引き出されたときは、その行方を確認するのです。

(続きは次回)

相続税の申告書が届いたら?!④

相続税の申告書はどのような人に送られてくるのだろう?

相続税を絶対支払わなければならないであろう大口の資産家はもとより、相続税を支払う必要があるかどうかが不明な人、全く相続税を支払う必要がないと思われる人にまで、相続税の申告書が送られてくる場合があります。

税務署では、資産家といわれる人のファイルを集めています。

そのファイルは人によっては、約40cmくらいまで厚みがあるものまであります。

 

では、中身はというと、個人の確定申告書をはじめとして、財産・債務の明細書、各種お尋ね、名寄帳により、複数の不動産物件を所有している人に対しては、ほとんど、申告書が送られてきます。

したがって税金を納める必要がない人でも、不動産物件をいくつか持っている場合には申告書が送られてくるのです。

なお、「名寄せ」については、住んでいる近隣の市町村だけでなく、全国規模での把握が可能となっていると考えた方がよいでしょう。

相続税の申告書が届いたら?!③

税務署は人の死亡をどのようにして知るか?

人が死亡した場合には、同居の親族などが死亡を知った日から7日以内に、その死亡地の市町村長に対し「死亡届」を提出します。

その提出を受けた市町村長は、提出を受けた日の翌月末日までに「死亡届」を所轄内の税務署長に通知しなければならないという法律があります。

つまり、この法律によって税務署は「人の死亡」を確認することができるのです。

(続きは次回)

相続税の申告書が届いたら?!②

相続税の申告書が来たら必ず申告しなければいけないのか?

いいえ、すべての人が申告の必要があるわけではありません。

 

相続税の算定の基礎となる課税価格が基礎控除額以下であれば申告書を提出する必要はありません。

 

ただし『配偶者の税額軽減』『小規模宅地等の減額』などの規定を使って初めて基礎控除額以下となる場合であれば申告書は提出しなければなりません。

なぜなら、これらの規定は申告書を提出してはじめて適用することができる規定だからです。

 

逆に相続税の申告書は送られてこなかったけれど申告書を提出すべき場合もあります。

借地権などは登記の必要がないことから、税務署はその存在を把握していない場合があるからです。

したがって、申告書が送られてきたかどうかは別として居住用不動産のほかに複数の不動産を持っているような場合には、税理士に相談して申告の必要があるかどうかを確認された方がよいでしょう。

(続きは次回)

相続税の申告書が届いたら?!①

なんで税務署から相続税の申告書が来たのだろう?

申告書が来たら必ず申告しなければならないの?

 

「なんで相続税の申告書が送られてきたのだろう?うちにはそんなに財産がないのだけど・・」

「どうして税務署は、うちの主人が亡くなったことを知っているの?」

「なんで?」

などと相続税の申告書が来たというだけで、頭の中は大混乱。

「どうしてうちだけが・・・。」などと、落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。

そんな混乱した状態にならないために、あらかじめ知っておいた方がいいことがあります。

 

詳しくは明日

株価引き下げによる相続税対策②

株価引き下げの3つの方法

株価を引き下げるには、以下の3つの方法があります。

 ()類似業種比準価額の引き下げ

類似業種比準価額は、自社と類似する公開企業の業種と、下記の3つの要素を比較して計算します。

≪引き下げのポイント!≫

①配当金額  → 配当を行わない。(どうしても行いたい場合は、記念配当等の名目で行う。)

②利益金額  → 生命保険の活用、適正な範囲で役員報酬を増額、現経営者への退職金支給、高収益部門を別会社化する等して、利益金額を下げる。

(3つの要素のなかで一番ウエイトが高いため、利益を下げることが最も有利な方法となります。)

③純資産価額 → 不良債権の処分、値下がりしている不動産の売却、オペレーティング・リース等を利用して、純資産価額を下げる。

 

()純資産価額の引き下げ

純資産価額は、会社の資産及び負債を財産評価基本通達に基づく相続税評価額により計算されます。

太陽光発電システムの取得(即時償却適用を前提)、借入金で賃貸不動産を購入等が挙げられます。

 

 ()会社規模の変更

株価は、上記(1)、(2)の価額を会社規模に応じて併用して計算されます。会社規模が大会社に近づくほどに類似業種比準価額の割合が大きくなります。

純資産価額が類似業種比準価額を上回っている場合には、会社規模を大きくして類似業種比準価額のウエイトを大きくすることにより株価を引き下げることが出来ます。

株価引き下げによる相続税対策①

株価引き下げの目的

オーナー企業の場合、後継者が先代から経営を引き継ぐことは、経営者の地位を引継ぐことだけではなく、会社の自社株を取得することが必要です。

しかし、業績の良い会社は、自社株の評価が高くなるため、相続税の納税や遺産分割の問題などが生じる可能性が高くなります。

そこで、株価を適宜引き下げながら、生前にある程度の株式を後継者に移動する必要があります。

そのためにはまず、相続財産として課税される自社株がどのように評価されるのかを理解することが必要です。