相続 岐阜|きずな支援センター

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2014年

遺産分割協議書の作成をお勧めします④

問題になるのはこの場合!

遺産分割の話し合いはしたものの遺産分割協議書は作成しなかったケースや、遺産分割の話し合いはしなかったものの相続人の間で事実上遺産分割を認め合っているケース。

これらのケースが後々問題になります。

 

これらは、残された親子・兄弟の仲がよいケースです。

「遺産分割協議書を作成したい」と言えば・・・

 

「そんなものを作れば兄弟間に波風が立つ」

「○○物件は××が相続するのは承知しているのだからそれでいいじゃない。わざわざ他人行儀に書類を作る必要なんてない」

「将来、売却するときは判を押すからそれでいいじゃないか。今、判を押せということは、せっかく親が残してくれた財産を今売り払おうとしているじゃないか。親不孝者!」

 

・・・などと言われ、せっかくの仲のよい肉親関係にひびが入る可能性もあります。

 

しかし、仲のよい今こそ遺産分割協議書を作成しておくべきです。

 

仲がよいから作成できるのです。

未来永却仲がよいとは誰も保障してくれません。

ましてやあなたのお父さん、そしてあなたが、と次々に亡くなって当時のことを覚えている人がいなくなれば、結果としてその財産は相続人の共有ということになりかねません。

 

売却するに際しても相続人全員の同意が必要です。

相続が続いて相続人がどんどん増え、かつ、正月にさえも顔を合わさない関係になってしまえば、赤の他人同然です。

いや、財産があるが故に赤の他人以上です。

そこで争いが起こって後悔してもはじまりません。

 

早々に遺産分割協議書を作成のうえ、相続登記を済ませて下さい。

(続きは次回)

遺産分割協議書の作成をお勧めします③

相続登記の未了の場合

相続登記の未了の場合はどう考えればよいのでしょうか。

遺産分割協議書が作成されているが登記未了のケースは特に問題ありません。

二次相続、三次相続・・・と相続が続き、遺産分割協議書が作成されていたことが忘れられる前に、できるだけ早く相続登記を済ませておいて下さい。

 

相続争いの最中にある場合は、そもそも相続登記ができません。

いずれ調停や審判で決着がつきますから、それまで待つ以外方法はありません。

この場合は上記の通り、とりあえず相続税の支払いを心配してください。

(続きは次回)

遺産分割協議書の作成をお勧めします②

相続登記がなされないケース

亡くなった祖父や祖母の不動産が名義変更をされずに残っていることがあります。

 

遺産分割協議書を作成して相続申告書を提出したけれど名義変更の登記が済んでいないケース、相続人の間で遺産分割の話し合いはしたものの申告するほどの規模の財産ではなかったため、相続税申告書は作成せず、遺産分割協議も作成しなかったケース、相続人の間で遺産分割の話し合いがもたれなかったものの誰がどの物件を引き継ぐかを事実上認め合っているケース、相続人の間の話し合いがつかず遺産分割協議が未了のケース等々。

 

相続人の間で話し合いがつかず争っている場合は深刻です。

「小規模宅地等の評価減」や「配偶者の税額軽減」の制度を適用できず、いったんこれらの適用前で税額を計算して、法定相続分で相続したものとした相続税を納める必要があるため、資金的に問題が生じます。

 

また、農地等の納税猶予は、申告期限までに農業相続人が適用を受ける旨の相続税申告書を提出しておかなければなりません。

したがって、相続財産の全体について遺産分割が未了であっても、農地等についてだけは遺産分割協議書を作成しておく必要があります。

(続きは次回)

遺産分割協議書の作成をお勧めします①

未登記の不動産も課税される

家屋はあるが登記をしていないという例も少なくありません。

家屋を建てると「表示登記」を行った後、所有者を確定させる「保存登記」をするのが普通です。

但し、保存登記をするかしないかは所有者の自由ですから、現実には未登記建物も数多く存在しています。

こうした家屋ももちろん「財産」ですから、相続財産として課税されることになります。

 

確かに、その土地や建物を自ら所有し、そこに住んでいる限りは、名義など誰の名前でもかまいません。

その意味では、相続があったからといって、費用と手間をかけて、わざわざ相続登記などしなくてもよいのです。

ただし、そのままだと「これはオレの相続した不動産だ」という主張はできませんし、またその不動産を売却したり、担保に入れたりという処分はできません。

さらに、相続登記をしないまま、その人が死亡して次代への相続が発生したりすると、権利関係の整理が極めて面倒なことになってしまいます。

 

したがって相続後、遺産分割協議が成立したら、できるだけ速やかに相続登記を行っておくべきです。

(続きは次回)

相続税のかからない財産だってある!⑤

債務控除③

債務控除できる葬式費用には次のようなものがあります。

通夜費用(飲食代を含む)、葬儀・告別式の費用、葬儀会場借上費用、出棺費用、火葬費用、読経料や御布施等々。

これらの費用のなかには、領収書が発行されなかったり、もらえなかったりするものがありますが、常識の範囲内であれば認められますので、メモにより金額を残しておきましょう。

一方、香典返し費用、墓地、仏壇購入にかかる未払金、法会(初七日、四十九日等)の費用や海外にいる相続人の帰国費用などは控除することができません。

まとめ

差し引けるもの
住宅ローンなどの借入金、金融機関への債務
クレジットローンなどの各種の未払い債務
事業上の買掛金、未払い金など
生前の医療費、入院費など

死亡した人のその年の所得税
納期限が未到来の死亡年分の固定資産税・住民税など
葬式費用の一部
差し引けないもの 墓地や仏壇などの非課税財産の未払債務

 

相続税のかからない財産だってある!④

債務控除②

債務とはいっても控除されないものもあります。

 

例えば「課税されない財産」を購入した場合などの未払分です。

 

つまり生前に墓地を買った人が、その代金を支払わないうちに死亡してしまったようなケースです。

債務であることは間違いないのですが、お墓に相続税はかかりませんから、これに見合う債務はダメというわけです。

したがって、墓地や仏壇を生前に購入した場合は、相続前にその代金を支払ってしまうほうが得になるわけです。

 

また、実際に相続税の申告をする場合には、死亡した人の未納の税金も忘れないように控除します。

 

通常は、死亡した人の所得税や住民税、不動産にかかる固定資産税などが未納となります。

死亡した人のその年1月1日から死亡日までの所得については、相続後4ヶ月以内に相続人が申告(これを一般に「準確定申告」と呼んでいます)をし、所得税もその日までに納税することになっています。

この場合の所得税は死亡した人にかかるもので、相続時に未納となっていたと考えますから、債務として控除されるのです。

 

固定資産税は、毎年1月1日現在で資産を所有していた人にかかるものですから、その年の途中で、資産を売却しても、所有者が死亡しても、1年分が課税されます。

そして、納税通知は、毎年4月ごろ行われ、年4回で分納することになっています。

このため、納税通知がくる前に死亡することもありますが、この場合は、その年分の固定資産税は全額を控除することができます。

また、納税通知が来た後に死亡した場合でも、納期限が到来していない未納分があれば、これも債務控除できます。

 

なお、この扱いは、住民税も同じですし、個人で事業をしていた場合の事業税も同様のことが起こります。

(続きは次回)

相続税のかからない財産だってある!③

債務控除①

借金があると相続税が軽くなる。

これは相続税に「債務控除」と呼ばれる課税の仕組みがあるからです。

相続では、「借金も財産のうち」です。

ありがたくない財産ですが、亡くなった人に債務があれば、相続の放棄をしない限り、相続人が負担しなければなりません。

そこで、相続税では、負担した借金は相続財産から差し引くことにしています。

 

ではどんな債務が控除されるのでしょうか。

住宅ローンなどの金融機関からの借入金、クレジットカードで買い物をしたときの未払分、個人で事業をしていた人には、買掛金や経費の未払金もあるでしょう。

まだまだあります。

死亡時に残っていた債務で、相続後に相続人が弁済するものはすべて控除の対象となりますから、亡くなる前の医療費や入院費で相続後に支払ったものも差し引かれます。

 

実際に相続があったらよく調べてください。

ひょっとしたら、柳ヶ瀬のクラブに多額の飲み代のツケも・・・。

(続きは次回)

相続税のかからない財産だってある!②

お墓や仏壇、葬儀に関する非課税財産

これだけ地価が高くなってきますと、マイホームどころか、一坪か二坪のお墓を持つ事さえ一生の仕事になりつつあります。

墓地といっても、もちろん土地ですし、墓石も高額になってきましたから、これらも立派な財産です。

しかし、お墓に税金というのはいかにも似合いませんし、感情的に見ても課税は適当とはいえません。

そこで、墓地や墓石のほか、日常拝礼の対象とされている仏壇、位牌、神棚などの祭具については、相続税を課税しないことにしています。

 

これは、「財産の価額」には関係なく非課税です。

 

したがって、お墓や仏壇などはどんな立派なものでも課税されることはありません。

もっとも、中には金むくの仏像を収集するのが趣味という人もあるようですが、これらのものを商品や骨董品として持っていたり、投資の目的にしたりしている場合は、非課税にはなりません。

 

葬儀に際しては、香典、花輪等は非課税になりますが、社葬を行った場合、香典を会社が受け取ると雑収入となり、会社に対して法人税が課税されます。

(続きは次回)

相続税のかからない財産だってある!①

非課税財産と債務控除

相続または遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した者は、取得財産の合計額が基礎控除額を超える場合には相続税を納めることになります。

この場合において、一定のものは非課税財産として取得した財産から除外するとともに、確実と認められる債務は取得財産の金額から控除します。

 

課税対象から除かれる7種類の財産は次の7つです。

 

①皇室経済法の規定により、皇嗣が継承する物

②墓所、霊廟、祭具など

③一定の要件に該当する公益事業者が取得した公益事業用財産

④心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権

⑤相続人の取得した生命保険金等で法定相続人一人あたり500万円で計算した金額

⑥相続人の取得した死亡退職金を法定相続人一人あたり500万円で計算した金額

⑦相続財産を国や特定の公益法人に寄付した場合の寄付財産

(続きは次回)

遺産分割の方法②

代償分割

換価分割の短所をカバーできるのが代償分割です。

特定の相続人が遺産を相続する代わりにその者の固有の財産を他の相続人に支払う方法です。

遺産分割協議書のなかでこの方法を選択した場合には贈与税がかからず、支払いを金銭によった場合には譲渡税も課されません。

一時に全額を支払わなくてもかまいませんが、たとえ分割払いをするにしても、どの程度の支払いができるかどうかを慎重に見きわめなければなりません。

分割協議が成立した後に支払いできないとなると、かえってトラブルが起きてしまいます。

 

一般的な分割は現物分割で、一部代償分割を組み合わせる場合もあります。

なお、代償分割の時効は10年です。