債務控除②
債務とはいっても控除されないものもあります。
例えば「課税されない財産」を購入した場合などの未払分です。
つまり生前に墓地を買った人が、その代金を支払わないうちに死亡してしまったようなケースです。
債務であることは間違いないのですが、お墓に相続税はかかりませんから、これに見合う債務はダメというわけです。
したがって、墓地や仏壇を生前に購入した場合は、相続前にその代金を支払ってしまうほうが得になるわけです。
また、実際に相続税の申告をする場合には、死亡した人の未納の税金も忘れないように控除します。
通常は、死亡した人の所得税や住民税、不動産にかかる固定資産税などが未納となります。
死亡した人のその年1月1日から死亡日までの所得については、相続後4ヶ月以内に相続人が申告(これを一般に「準確定申告」と呼んでいます)をし、所得税もその日までに納税することになっています。
この場合の所得税は死亡した人にかかるもので、相続時に未納となっていたと考えますから、債務として控除されるのです。
固定資産税は、毎年1月1日現在で資産を所有していた人にかかるものですから、その年の途中で、資産を売却しても、所有者が死亡しても、1年分が課税されます。
そして、納税通知は、毎年4月ごろ行われ、年4回で分納することになっています。
このため、納税通知がくる前に死亡することもありますが、この場合は、その年分の固定資産税は全額を控除することができます。
また、納税通知が来た後に死亡した場合でも、納期限が到来していない未納分があれば、これも債務控除できます。
なお、この扱いは、住民税も同じですし、個人で事業をしていた場合の事業税も同様のことが起こります。
(続きは次回)