相続 岐阜|きずな支援センター

当センターは、遺言・相続・事業承継を目的とした、弁護士事務所と税理士事務所の共同センターです。  

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相続税

税務調査は一日だけじゃない!②

当日は何時に始まる?

実地調査は午前10時頃から始まり夕方の5時頃までには終わります。

 

まず雑談から入り、故人の経歴、趣味、病歴、最期の状況など詳しく聞きます。

申告漏れや資産の管理・運用状況をたくみに聞き出しているのです。

 

実地調査は1日、せいぜい2日で終わります。

 

実地調査の目的は事前調査での不明な点、疑問な点の確認・解明です。

故人について収集された「資料箋」から判断して申告漏れの可能性のある預金や有価証券の発見です。

グレーゾーンにあるものを誰のものとしてとらえるかの判断です。

家族名義預金なども調査対象です。

(続きは次回)

税務調査は一日だけじゃない!①

いつ?どこで?

実地調査では一般的に税務職員がいきなり訪問するということはありません。

 

調査の1~2週間前に、通常は、税理士を通じて連絡が入ります。

都合が悪ければ日を変更してもらうことも可能ですが、調査自体を断ることは事実上できません。

調査場所は被相続人が生活していた家がほとんどです。

相続開始後にはその家を売却してしまった場合には、妻、長男など相続人を代表する者の家で行われます。

 

調査官は普通1名ですが、新人教育の場合や大型案件の場合には2名以上でくることもあります。

(続きは次回)

税務調査に来るワケ④

税務調査の結果

相続人が知らなかった財産が出でくれば、もうけものです。

無いと思っていた財産が税務署の調査で判明し、教えてくれるからです。

増加した相続税に加えて延滞税や過少申告加算税はかかるものの、一般に発見された金額以上の税金がかかることはないからです。

手取りの相続財産が増加するため、税務署に感謝することになるでしょう。

 

相続人が自分のものと思っている財産他人名義の財産との判断は微妙な問題です。

 

過去贈与により財産が移転しており、すでに贈与税の時効が完成しているのか。

それとも単なる「名義借り」なのか。

税務署は被相続人のものであるとの方向へ持っていこうとするし、相続人は自分の財産であると主張する、この攻防が税務調査です。

 

先ごろ、国税不服審判所で次のような裁決が下されました。

 

被相続人から口頭で生前贈与された現金で購入された株式や預金について、相続人側で贈与された現金に見合った贈与税の申告がなかったことから、これらの資産は被相続人のものであるとされました。

民法によれば、書面によらない贈与はそれが完了するまでに自由に取り消すことができ、したがってこれらの資産は単に被相続人から管理・運用を任されていたものであるとしています。

相続人が贈与されたという現金に自己資金を加えて運用していましたが、これも原資割合に基づいて被相続人の財産と相続人固有の財産と按分すべきだとしています。

 

この問題に対する国税庁側の厳しい姿勢がうかがえます。

税務調査に来るワケ③

相続人固有の財産

申告されていない財産として、相続人が実家の相続により引き継いだ財産、相続人の労力により築き上げた財産等、被相続人の財産とは全く異なる財産もあります。

 

嫁入り時の持参金は、被相続人の財産ではありません。

嫁入り時に実親から贈与されたということになるため贈与税の問題になります。

もっとも、この場合は贈与税の時効はすでに完成しているケースが多いと思われますが・・・。

 

家計費から捻出した「へそくり」も世間常識の範囲内であれば、配偶者の財産ということになりますが、その金額が多額である場合には、もはや「へそくり」とは呼べないでしょう。

(続きは次回)

税務調査に来るワケ②

“申告されていない財産”の続きです。

②相続人が自分のものと思っている財産

過去、何らかの経緯により被相続人から相続人に名義が変更され、その後相続人のもとで管理・運用されている財産です。

 

③相続人名義であるが、被相続人が管理・運用していた財産

これが一般的に「名義借り」あるいは「他人名義」と呼ばれている財産です。

 

④相続人が意図的に申告書に記載しない被相続人の財産

明らかに脱税です。

延滞税、過少申告加算税、場合によっては重加算税が加算されます。

(続きは次回)

税務調査に来るワケ①

相続税の税務調査では、相続税の申告書に記載された被相続人の遺産以外の財産、すなわち申告漏れの財産、隠し財産を発見することが重要な目的です。

申告されていない財産は5つに大別できますので、順に見ていきましょう。

 

①相続人が知らなかった財産

相続人は被相続人のすべての財産を管理しているわけではありません。

 

したがって、被相続人が遺言書を残さず、口承もしなかった財産については、死亡後に調べることになります。

不動産であれば権利証や固定資産税の納付書等から、預貯金であれば通帳から、株式で配当が預金へ振り込まれている場合はその通帳から調べることができます。

 

しかし、そうでない財産もあるでしょう。

権利証が紛失しており固定資産税もかからない遠隔地の土地、長期間ほったらかしにしている預貯金、無配株式など・・・。

(続きは次回)

税務調査ってどんなもの??⑤

貸金庫

貸金庫を利用しているかどうかは、本人に聞くまでもなく、税務署はその存在を知っています。

なぜか?

 

銀行への確認は当然のこととして、通常、貸金庫の使用料は、預金通帳より引き落とされています。

貸金庫の存在を隠すつもりで使用料の事を意識している人は少ないでしょう。

 

貸金庫の中は当然、調査されます。

本人はもちろん、配偶者の貸金庫も調査されることがあります。

不必要なものは置かないことです。

税務調査ってどんなもの??④

事前にも調査してあるのか?

調査は、事前に相当なことはしてあります。

 

不動産、預貯金の有無は当然です。

不動産にはついて登記されていますし、登記されていない建物でも、固定資産税の補充課税台帳で把握されています。

 

問題は預貯金です。

本人名義はもちろんのこと家族全員の預金も洗い出されています。

本人以外の預金をなぜ調査するのかと思われるかもしれませんが、これは相続税の調査の最大のポイントになります。

 

いわゆる名義預金です。

 

本人の名義ではなく、家族名義、またはまったく別の名義になっていたとしても、実質は本人のものであると断定されることが多いです。

銀行では一括管理しているケースが多く、本人名義と同様の取り扱いをしています。

この預金関係を徹底的に調査していることが最も多いのです。

(続きは次回)

税務調査ってどんなもの??③

何人くらいで来るのか?

通常の調査であれば、1人か2人です。

実際には1人のことが多く、2人で来たとしても、1人は補助または見習い的な人で、多数でやってくることはほとんどありません。

もちろん、相続税の金額が多額であれば、3~4人のこともあります。

 

参考までに、調査官の肩書きを見れば、どの程度の調査かだいたい分かります。

一般の税務署の調査官となれば、通常の調査です。

 

税務署の特別調査官となれば、名前の通り「特別」ということで相当なベテランがやってきたということです。

この場合は2人でやってきます。

 

さて最も調査の厳しいのは「国税局課税第一部資料調査課×××です」という人が相続税の調査に乗り出してきたときです。

泣く子も黙る、いわゆる「料調調査」です。

ここでは大口資産家の資料を一括管理しています。

時効に関係なく、資料を保存してあります。

相当な金額がでることの確信をもって調査にやってきます。

相続税における「マルサ」と言っても過言ではありません。

 

通常、資料調査課がでてくるときには、億単位の取り扱いですから一般の人には関係ありません。

(続きは次回)

税務調査ってどんなもの??②

いつ調査にくるのか?

相続税の調査は100%くるわけではありません。

 

被相続人の過去の経歴から見て、

  • 申告された資産以外にも他にも資産があるはずである
  • すでに税務署が把握している資料から他に資産があるにもかかわらず申告されていない

・・・といった状況が判断されれば調査されます。

調査は通常、申告されてから3年以内、または例年9月~12月に調査されることが多いです。

いわゆる一周忌を過ぎてからが常識的です。

 

といっても突然やってくる時もあります。

 

それでも事前に連絡があり、日程の調整は十分可能です。

税務調査の立会いをする税理士の都合もきいてくれます。

 

通常、連絡を受けてから1~2週間くらいの間をおいてから調査されることが多いです。

(続きは次回)