分割協議を早くまとめるポイント⑤
最後のポイントは、現金を用意することです。
財産の中に現金が多い場合には、比較的簡単に決まります。
いくらもめても、現金であれば、分けやすく、調整も簡単です。
といっても、現実には現金が少なく、土地がほとんどというケースが多いです。
この場合は思い切って一部の土地を売却して、現金を用意するのも現実的な方法です。
(続きは次回)
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税理士法人TACT高井法博会計事務所 TEL:058-233-3333
最後のポイントは、現金を用意することです。
財産の中に現金が多い場合には、比較的簡単に決まります。
いくらもめても、現金であれば、分けやすく、調整も簡単です。
といっても、現実には現金が少なく、土地がほとんどというケースが多いです。
この場合は思い切って一部の土地を売却して、現金を用意するのも現実的な方法です。
(続きは次回)
本音は個人的に聞く事もポイントです。
全員で話し合うのは形式的なこと。
大筋を決めるときだけです。
そこで本音を聞けるわけではありません。
仮に本音をぶつけ合えばケンカになります。
本音を聞くとき、話すときは、個別に行う事です。
個別であれば調整、交渉、説得はしやすくなります。
(続きは次回)
実際に分け方を進めていくと、意外と細かいところが問題になることがあります。
そんなときは大きな事から合意していくようにします。
たとえば、母と三人の子供の相続人がいたとします。
まず大事なことは、母親の今後の生活です。
次に相続税を支払うのであればどう支払うかです。
そこで、母親の相続する財産や納税方法が決まったら、そこでまず合意します。
大きな「イエス」をとりながら、小さな「ノー」や対立する案件はあと回しにすることです。
(続きは次回)
ものごとを決めるときには、まとめ役、リーダーが必要です。
相続は法定の権利がそれぞれにありますが、現実的には、配偶者または後継者となる人がリーダーとなり、まとめていきます。
相続人全員で、このキーマンを決めることが大事です。
このリーダー役は苦労が多くて大変でしょうが、分割に関する資料、分割案をつくり、まとめ役、連絡係となる。
他の相続人は協力態勢をとり、情報をリーダーに集中させるようにします。
仲介役、補佐役も必要です。
実務的には、税理士、弁護士などの専門家が補佐役となります。
資料集め、分割案作りといっても、相続人の中のリーダーには初めての経験です。
しかもリーダーも相続を受ける当事者です。
客観的判断ができる、第三者の専門家に早くから相談することです。
(続きは次回)
遺言書があれば、遺産分割のほとんどが解決されます、相続人の法定相続分も遺言書がない場合のことであって、遺言書があれば遺言書が優先されます。
もちろん、遺留分を侵害している場合は減殺請求されることはありますが、遺言書があれば「分け方」についてはほとんど解決しているといえます。
遺言書は「分割」をうまくやる第一歩です。
とはいうものの、遺言書のない場合も多く、かつ遺言書があっても、もめるときはもめるものです。
(続きは次回)
遺産分割が決まらなければ、節税も納税もできません。
節税①「配偶者は法定相続分までは非課税」
節税②「小規模宅地等の評価80%軽減」
いずれも大きな節税ですが、分割協議が成立しなければ適用されず、適用される前の相続税を支払わなければなりません。
極端な表現をすれば、通常の倍以上の税額を支払うことになります。
一方、相続税の納税も問題です。
①現金で支払う
②土地などを売却して支払う
③物納する
いずれも分割協議が成立しなければ困難です。
(続きは次回)
贈与と経済的効果が同じ特定の利益についても同様に贈与税の対象となります。
「みなし贈与財産」には次のようなものがあります。
(1)委託者以外の者が受益者である信託受益権
(2)保険料または掛金を負担しない者が受け取った保険金、共済金、定期金給付契約に関する権利(相続税の対象となるものを除く)
(3)低額譲受利益
(4)債務免除による利益
(5)一定の事由により増加した同族会社の株式価額
相続税または遺贈により取得した財産ではありませんが、取得の経済的効果が相続と同じものは相続または遺贈により取得したものとみなされます。
「みなし相続財産」には次のようなものがあります。
(1)保険金
(2)退職手当金
(3)生命保険契約に関する権利
(4)定期金に関する権利
(5)保障期間付定期金に関する権利
(6)契約に基づかない定期金に関する権利
(7)特別縁故者への分与財産
(8)信託受益権
(9)遺言による低額譲受利益
(10)遺言による債務免除等の利益
(11)相続開始前3年以内の贈与財産
(続きは次回)
被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業用または居住用に使われていた宅地等については、200㎡(特定事業用等宅地等は400㎡、特定居住用宅地等は240㎡)までの部分について相続税評価額を減額して評価します。
この200㎡までの宅地等を「小規模宅地等」といい、この特例を「小規模宅地等についての相続税の課税価格の特例」と呼びます。
小規模な事業や自宅にまで課税し、転廃業や転居を余儀なくされるのを防止するための規定です。
遺産未分割の場合には、この規定の適用を受けることができませんが、申告期限から3年以内に分割さたときは、「更正の請求」をすることでこの規定の適用を受けることができます。
大きなものばかりに目を奪われてはいけません。
家の中を見回してください。テレビ、クーラー、たんす、応接セット、電子レンジ、冷蔵庫・・・こんなものに相続税と思われるかもしれませんが「カネ目ノモノ」はすべて財産です。
電話一台、これも入ります。
「電話加入権」として相続税がかかるのです。
いまどきは「かまどの灰」はないかもしれませんが、価値の大小を問わず、すべてのものに相続税がかかると考えてよさそうです。
この程度のものは、といって財産から除いたばかりに、あとになって「申告漏れ」になるケースもあり得るわけです。