相続 岐阜|きずな支援センター

当センターは、遺言・相続・事業承継を目的とした、弁護士事務所と税理士事務所の共同センターです。  

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家族

税務調査官の対応④

調査官の質問と意図

調査官の質問と、その意図は次の通りです。

質問内容 意図
本人の職歴 概況、社会的地位、収入や退職金の有無
(おおよその財産額の把握)
本人の趣味 本人の生活ぶり・お金の使い方(派手か地味か)
ゴルフ会員権の有無
家族の職歴、実家の状況 収入、個人財産(持参金)、預金収入の裏付け確認
名義預金、名義株
亡くなった時の状況
(病院、病名)
医療費
死亡時前後の現預金の使い方・使い道
遺言書の有無 内容を確認(隠し財産のことが書いていないか)
通帳や印鑑の管理 誰が管理していたか(名義預金)
手帳や日記の有無 何を記録していたか(取引銀行、証券会社、隠し財産の所在)
香典帳、電話帳 内容確認(取引銀行、証券会社)
権利書、通帳 金庫や書庫など重要書類の置き場所(現場確認)
申告されていない財産の資料が無いか
有価証券の有無 預り証や取引証券会社の確認
申告されていない財産の資料が無いか
生活費 誰が財産を管理しているか、名義預金、毎月の費用
銀行の担当者 詳しい事情を聞く
貸金庫 現場確認(引き落とされた使用料から有無は確認ずみ)

 

税務調査官の対応①

まずは事前打ち合わせ

担当の税理士に事前に十分相談しておくことです。

 

別に隠し方を教えるわけではありません。

税務調査が、いつ、どんな方法で、何を聞き、何が問題になるのかをしっかり聞いておいて下さい。

税務署は、事前に家族名義の預金や株式、あるいは相続前5年くらい前までの預金の流れは調査済みです。

本人の所得税の申告書の内容からある程度の把握はしているものです。

 

そのうえでの調査です。

 

ですから、相続直前に預金を全部引き出して本人名義の預金をなくしても何の意味もありません。

当然、その引き出したお金をどうしたのかをしっかり聞かれます。

(続きは次回)

税務調査は一日だけじゃない!②

当日は何時に始まる?

実地調査は午前10時頃から始まり夕方の5時頃までには終わります。

 

まず雑談から入り、故人の経歴、趣味、病歴、最期の状況など詳しく聞きます。

申告漏れや資産の管理・運用状況をたくみに聞き出しているのです。

 

実地調査は1日、せいぜい2日で終わります。

 

実地調査の目的は事前調査での不明な点、疑問な点の確認・解明です。

故人について収集された「資料箋」から判断して申告漏れの可能性のある預金や有価証券の発見です。

グレーゾーンにあるものを誰のものとしてとらえるかの判断です。

家族名義預金なども調査対象です。

(続きは次回)

税務調査ってどんなもの??⑤

貸金庫

貸金庫を利用しているかどうかは、本人に聞くまでもなく、税務署はその存在を知っています。

なぜか?

 

銀行への確認は当然のこととして、通常、貸金庫の使用料は、預金通帳より引き落とされています。

貸金庫の存在を隠すつもりで使用料の事を意識している人は少ないでしょう。

 

貸金庫の中は当然、調査されます。

本人はもちろん、配偶者の貸金庫も調査されることがあります。

不必要なものは置かないことです。

税務調査ってどんなもの??④

事前にも調査してあるのか?

調査は、事前に相当なことはしてあります。

 

不動産、預貯金の有無は当然です。

不動産にはついて登記されていますし、登記されていない建物でも、固定資産税の補充課税台帳で把握されています。

 

問題は預貯金です。

本人名義はもちろんのこと家族全員の預金も洗い出されています。

本人以外の預金をなぜ調査するのかと思われるかもしれませんが、これは相続税の調査の最大のポイントになります。

 

いわゆる名義預金です。

 

本人の名義ではなく、家族名義、またはまったく別の名義になっていたとしても、実質は本人のものであると断定されることが多いです。

銀行では一括管理しているケースが多く、本人名義と同様の取り扱いをしています。

この預金関係を徹底的に調査していることが最も多いのです。

(続きは次回)

家族名義の財産④

銀行調査ではどんなことを調べる?

相続が開始すると税務署は、金融機関に対して残高確認のために文書で問い合わせをするとともに、必要に応じて金融機関に出向いてマイクロフィルム(預金の動きがフィルム化されているもの)や伝票を調査していると思われます。

 

普通預金では電気、水道、ガス、電話などの公共料金を自動引落しているケースが多いのですが、貸金庫の使用料や証券会社の保護預かり料が引き落とされていることもあります。

家族も知らない第三者が居住しているマンションの管理費や公共料金が引き落とされていることもあります。

 

少額の端数のある入金も目の付け所です。

定額預金の利息や株式の配当など申告されていない財産発見の手がかりになります。

 

通帳だけでなく、印鑑も調査対象になります。

印鑑はまず空押しをし、次に朱肉を使って印影をとります。

空押しして印影がつくかどうかによって、最近使ったかどうか使用状況がわかります。

使われた形跡がなければ名義預金である可能性があるからです。

家族名義の財産③

税務署はどんなところから調べる?

大口資産家という言葉があります。

 

税務署ごとにその基準は違いますが固定資産税の額や保有している不動産の面積、不動産収入などを基にしてリストアップして資料を収集しています。

「資料箋」といわれるもので、過去の確定申告書や源泉徴収票をはじめ、登記関係書類、高級外車の購入、内縁関係にあった女性や元従業員からの「タレ込み情報」など、種々の資料が綴じられており、40cm以上の厚さになることもあります。

 

登記関係書類は資料箋の中でも重要なものの一つです。

 

税務署は所轄内にある法務局を法定的に、誰から誰に、いつ、どういう原因で不動産を移動したのか等、登記の動きを把握しています。

ここで把握された資料は、当事者の所轄の税務署に送付された各人別に保管されます。

これが登記に関する資料箋になります。

 

この資料だけでは、その不動産の価額や資金調達方法は把握できません。

税務署は不動産を購入した人宛に「お買いになった資産の買入れ価額などについてのお尋ね」を発送して、その資金の出所等を把握します。

不動産を売却した人についてはその記録が残りますから、譲渡所得の申告の有無の確認とともに相続のときにその資金使途の調査があり、説明を求められることになります。

売却時期と同時期に家族名義で多額の預金が作成されていれば、その原資は当然推測がつくわけです。

家族名義の財産②

家族名義の預金

相続税の税務調査の目的の一つに家族名義の預金、家族名義の株式の調査があります。

名義だけ家族の名前を借りて相続財産減らしを図る、「名義預金」「名義株」の有無を調べるためです。

 

税務署では、被相続人や相続人の家に出向いて調査する実地調査の前後に被相続人の住所地や勤務先周辺の銀行に照会・訪問して、被相続人名義の預金のみならず、家族名義の預金を調査します。

本人以外の家族名義の預金は、名義預金かどうかのチェックをし、本当に家族の預金かどうかの確認をします。

家族の収入、財産形成の経緯を調査し、例えば配偶者(奥様)の名義預金については、配偶者の過去の収入、実家における相続の有無等によって、本当に配偶者の預金であるかどうかの調査をします。

子供や孫名義の預金も、当然、それぞれの収入等から本人のものであるかどうかの確認をします。

また、税務署には協力的ではないといわれてきた郵便局も、最近は銀行とあまり差がないといわれています。

 

こうして事前に調査した資料を基に実地調査で質問するわけですから、大きなお金の動き、家族名義の有無など隠し通せるものではありません。

「第三者名義の預金」はないと言い切ったあとで、税務職員からそれを見せられたらもはや言いのがれはできなくなります。

(続きは次回)

家族名義の財産①

主人が配偶者名義で預金をしていた場合、主人が亡くなった際、この預金は誰のものとされるかご存知ですか?

税法には誰の名義であろうが、本当は誰の所有なのか、真の所有者に対して課税するという考え方として、「実質所有者課税の原則」といわれる言葉があります。

名義預金かどうかは、印鑑・通帳を誰が保管しているのか、入金の出所は誰からか、引き出したのは誰で何に使ったのか、など総合的に判断して本当の所有者の認定がなされます。

このケースは、ご主人が管理しているのであれば、ご主人の預金ということになるでしょう。

 

ご主人の相続にあたって、奥様名義の預金が問題になる例が実に多く見られます。

奥様の名義の預金があった場合、その財産は、本当に奥様のものなのか、ということです。

もちろん、過去にきちんと贈与をし、贈与税の申告もしていたとか、あるいは奥様自身に収入があって、それを貯えたものであるという「立証」ができれば問題はありません。

しかし、その証明ができないときは、本当の所有者はご主人であるとして、相続税の課税対象にされてしまいます。

つまり、ご主人が「名義借り」で預金をしていたと見られてしまうのです。

この事は奥様に限らず、子供や孫の場合も同じですし、また、預金のほか、株式の名義などでも同様の問題が生じます。

(続きは次回)

 したがって、これらの金融資産については、本当の所有者は誰かをきちんとしておかなければなりません。

預貯金はこうして把握される!!②

何年前まで調べられるのか?

大口資産家の調査の場合は、相当以前からの古い資料も残っています。

時効の関係から7年ということもありますが、通常は5年前まではさかのぼって調べられます。

 

それでは7年前以前から奥様名義または家族名義の預金になっていれば、それは立派に贈与の時効が成立しているといえるかどうか、残念ながらそうもいきません。

問題は本当に贈与があったのかどうかという事実確認です。

たとえば確かに奥様名義の預金が10年前からあったとしても、出し入れの管理は、奥様ではなく本人がやっていたとすれば、実際は贈与されたのではなく、単なる名義が奥様になっていたということにすぎません。

子供や孫の名義の預金も当然のこと、「贈与された事実」があったどうかがポイントになるのです。

したがって、何年か前から名義が本人以外のものになっていたとしても、贈与の事実確認が重要で、贈与税の申告がされていたかどうかが重要なポイントになります。

(続きは次回)